2014/07/02

なんとなく良い時にこそ、浮かれてはならない。 (今年何回目の自戒かな?)

運用結果が想定より良い時には、自分の力を過信しがちだ。

配当再投資戦略の場合、少しずつ配当所得が増えるので、自分に株の才能があると過信してしまう危険性がある。

ルールを守ってそれ以外のことをすべきではないと理解しているが、投資方法としては、単純かつ退屈なため、何らかの欲とスリルを求めてしまうのだろう。


 レールの上のみを走る電車でさえ、たまに事故を起こすが、事故率は自家用車に比べて格段に低く、それでいて経済的だ。

特に、暴落に備えてCashを貯めているときは、誘惑に弱い。

つい、ルールと異なる投資方法を試してみたくなるが、私がしたいのは「雪だるまづくり」であって、「雪合戦」ではないのだ。

調子が良いと漫然と考えるときほど危ない。なんとなく行けると思うときは、まだスタートラインにさえ、立っていない。

単なる観客と同じ状態なのだ。

子供が、プロレス番組を見て自分にもできると思い込むようなもので、大人から見たら片腹痛いのだが、本人は、その裏にある何年もの単調な修練まで見通すことができず、簡単にできるつもりでいる。


こんなときは、昔読んだ話を思い出す。

世界中を回っている旅人が,ある町はずれの1本道を歩いていると,1人 の男が道の脇で難しそうな顔をしてレンガを積んでいました。
旅人は,その男のそばに立ち止まってたずねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」
すると,男はこう答えました。

「見ればわかるだろう。レンガ積みをしているのさ。毎日毎日,雨の日も強い風の日も,暑い日も寒い日も1日中レンガ積みだ。なんでオレはこんなことをしなければならないのか,まったくついてない。」

旅人は,その男に「大変ですね」と慰めの言葉を残して,歩き続けました。
しばらく行くと,一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会いました。
しかし,その男は,先ほどの男ほどつらそうには見えませんでした。
そこで,また旅人はたずねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」
すると,男はこう答えました。

「オレはね,ここで大きな壁を作っているんだよ。これがオレの仕事でね。」

旅人は「それは大変ですね」と,いたわりの言葉をかけました。
すると,意外な言葉が返ってきました。
「なんてことはないよ。この仕事でオレは家族を養ってるんだ。この仕事があるから家族全員が食べていけるのだから,大変だなんて言ったらバチが当たるよ。」

旅人は,その男に励ましの言葉を残して歩き続けました。
さらにもう少し歩くと,別の男がいきいきと楽しそうにレンガを積んでいました。旅人は興味深くたずねました。
「ここで,いったい何をしているのですか?」
すると,男は目を輝かせてこう答えました。
「ああ,オレたちのことかい?オレたちは歴史に残る偉大な大聖堂をつくっているんだ。」

旅人は「それは大変ですね」と,いたわりの言葉をかけました。
すると男は,楽しそうにこう返してきました。
「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け,悲しみを払うんだ!素晴らしいだろう!」

旅人は,その男にお礼の言葉を残して,元気いっぱいに歩き始めました。

この話はイソップ童話の「3人のレンガ積み職人」の話だ。
自己啓発関係の初歩でよく使われる話で、同じ行動でも心の持ちようで、仕事の価値や働く姿勢に好影響を与えるといった説明に使われる。

この寓話におけるスターは言うまでもなく3人目のレンガ積み職人であって、異論はない。

それでも、1人目のレンガ積み職人の言葉に惹かれるところがある。

そもそも、職人たるもの、目的や目標など設定してないはずがなく、それでも目の前の作業を淡々とこなすことが求められる。

一介の職人ごときが、結果(完成)が出ていないのに大言壮語してはいけないのだ。

倦まずたゆまず、作業手順・ルールどおりに作業すれば良い。

今はCashを貯めこむ。配当は再投資する。そして、暴落時に出動する。

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